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そばコラム4




十割そば

そば粉100%でそばを打つこと。また、そのそばのことを「生粉打ち」という。一般にそばを打つ場合、そば粉だけではうまくつながらないため、つなぎとして小麦粉を加える。その小麦粉のことを「割り粉」というが、それに対して、そば粉そのものを指して「生粉」と呼んだことからできた言葉である。 「生一本」とも言う。
そばは長く備荒食糧として栽培され、そば米にして煮て食べられていた。石臼の普及とともにそば粉を練って作る「そばがき」や「そばもち」の形にして食べる方法が一般的になったが、麺線の形のそばとして広く普及するのは、ようやく江戸時代に入ってからのことである。この初期の「そば切り」は、つなぎのほうほうが知られていなかったため、すべてそば粉一本の「生粉打ち」であったと思われる。

現在でも「生粉打ち」は各地で行われており、なかでもそばどころ信州の伝統的な蕎麦打ちに、長い年月の中で完成された技術を見ることができる。信州ではかつて、小麦粉はむしろ貴重品であったため、山間の農家ではそばといえば、挽きぐるみのそば粉のみで打つものだった。
 「生粉打ち」には「割り粉」を二割ほどいれた「江戸流」のそばのような、つるつるとした口当たりのよさはないが、素朴な郷土食としての味わいの中に生きていると言えるだろう。

参考文献「そば・うどん百味百題」



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